ゲド戦記を見に行くまでの長い道のり。



とにかく、ジブリが新作をやると聞いた時点で、絶対見に行こうと思っていたんですよ。

ジブリ作品はどれも大好きなので、『ゲド戦記』の予告をテレビでやり出した時も、
「おおっ!!ハウルからそんなに経ってないのにもう新作やるのか!!わ〜い見に行こ〜〜///」くらいだったんです。

で、監督が違うとか、ゲド戦記がどういう話なのか全く知らず、ローソンとかアサヒ飲料のキャッチフレーズをみる限り、
どうやら竜が出てくるらしい事と、魔法使いの話らしいくらいにしか知らなかったんです。

今思えば、前売りを買うとかもっと資料集めるとかしそうだった気もするんですが、ちょうどこの時期、色々映画を見に行ってて、『ゲド戦記』は後の方に追いやられてしまったんです。(ジブリだから長いことやるだろう・・・と思って)

その時期見に行った映画っていうのが、
『DEATH NOTE』『トリック劇場版2』『時をかける少女』だったんですがね・・・(笑)

そんなこんなしてたら、やたら酷評ばかり聞くので、見に行った友人に感想を聞いたら、
「私は面白いと思ったけど、ちょっと暗くて恐い。」と言っていて、なんとなく『もののけ姫』みたいなのを想像してた私は(タイトルからなんとなく壮大な話かと思って)その
ちょっと暗くて恐いジブリもやっぱり見なくては・・・!!と思ったのです。

やっと見たのがお盆で実家に里帰りした時でした。
地元の友人と遊んでて、映画でもみるか〜〜って感じで・・・。
その時『ゲド戦記』が第一候補だったんですが、やってるかどうかもわからないで映画館行ったので(調べろよ)
もしやってなかったら『ブレイブストーリー』か『ナルト』を見ていたかもしれない・・・。(下手したらハチクロだったかもしれない・・・)



さて やっと映画館まで辿りつきましたよ 長かった・・・!!



いよいよ本編です。
アレンのあまりの乙女っぷりとか色々ツッコミがありすぎて十分楽しめた映画だったのですが、
ここではちょっと真面目な事(そうでもないかなw)を書いていこうと思います。
ほとんどアレン語りですが・・・(笑)


結局、今日にいたるまでに4回見に行く事になるんですが、 (最終的には5回見ました) 一番初めに見に行った時は、
本当に予備知識全くなしで行ったので、アレンという少年があんなに活躍する話とは知らず、「あれ?ゲドって人でてこなくね?」って感じでした。

魔法使いの話だと思っていたけれど、どうやらこの暗い少年が主人公らしいな〜・・・いきなりお父さんまで刺しちゃって、この子は何でこんなにビクビクしてんのかな?それにしてもこの手の少年が出てくるのは、ジブリじゃ珍しいなあ〜〜・・・

そんな事を感じつつ、映画が中盤くらいになって思ったのが、やっぱり今までのジブリとは違うなって事でした。
ジブリというと私はキラキラなファンタジーを思い浮かべるのですが、今回は全く違いました。

アレンの夢のシーンは本当に恐かったし、テルーの唄のシーンは自然をひたすら映すだけだし、ハイタカは後半活躍するのかなと思ったら捕まってるし・・・(笑)、
とにかく色んな意味で
淡々とした映画だな〜〜・・・と思いました。
クモの最後なんて、子ども見たら泣くんじゃないか?!;; なるほどちょっと暗くて恐いジブリと言っていた友人の気持ちも分かる・・・。

この辺の見せ方は、後から宮崎吾朗監督の色だったんだなと気付くのですが、一回目は見終わってから、「あ〜〜!!面白かった!!」という気持ちよりも、「あの後あのキャラどーなったんだろう?あそこのセリフは、こういう意味なのか・・・?」と
悶々とした気持ちのが大きかったです。

しかもこの悶々が日を追う事に大きくなっていく訳です。なんだろ?なんか知らないけど心に引っかかるモノがあった訳です。

数日後、原作にはお父さんを刺すシーンはない事や、影のアレンは本当は光の方だったというのもゴローオリジナルだという記事をなんかで見て、
え〜〜?!じゃあゴローはなんでアレンをあんな暗い子にしたの?!」とビックリしました。


そんな折、近くの映画館でゲド戦記やってて、「こりゃ、もう一回見ないとわからんな・・・」と思い二回目行くことにしました。
私、同じ映画二回見るってめったにないんですよ・・・・!!!(DVDなら何回も見たりするけれども・・・) 

この時点でゲド戦記には かなりキてたんだと思います。(笑)


二回目はとにかく
アレンという子を理解しようと、彼の目線で見るように心がけました。
すると なんとな〜く分かってきたんです。 この少年の心の闇とやらが・・・。
(といっても私が勝手に感じた事であって、的外れな意見かもしれませんが・・・。 まぁ、サラッと流して下さい。w)

まず冒頭のシーン。
「陛下はお忙しいのです」 「なさけないアレンも17」 「どうか王は民にだけお心を」 などのセリフから、アレンは両親に愛されているものの、
腹割って話せる相手にゃとても見えませんでした。
実際、陛下は忙しいとか言ってる時点で、この子お父さんとどんだけの間話してないんだろ・・・。と思いました。
しかも母ちゃんも怖そうだしな〜〜〜!!(笑) 子どもを育てる、ではなくて王子を育てるって感じだったんではないでしょうか。
アレンにゃ相当厳しかったんじゃないかな? もう17じゃなくて、まだ17だよ〜!!;; 彼女の中ではアレンは既に一人前の大人扱いでしたしね・・・。

また、アレンという名が「剣」という意味ってとこからして、強い子になってほしいみたいなの感じましたよ。
なんたって跡継ぎですからね。 強くて偉大な王にならなきゃいけないんでしょう。

そして、それをアレンもちゃんと分かっていて、その想いに答えようとしていたと思います。
戦うとやたら強いんで、剣術の稽古とかはかなりしたんでしょう。(そんな事はどこにも書かれてないので私の勝手な妄想ですが)
17のわりに聞き分けのいい所や、どう見たって疲れてるのに「大丈夫です」とか言う姿を見ていると、
この子は言われた事は絶対嫌と言わずこなしてきたんだろうな〜〜・・・
そう思うと良い子じゃないか・・・!! なんでこんな良い子がお父さん刺しちゃったのかな〜〜〜・・・と映画見ながらしんみりしちゃったり。

きっと彼の中のキャパがもういっぱいいっぱいだったんでしょうね。 両親の期待も裏切れないし、でも自分はあんな偉大な父親みたいな存在にはなれないし、でも嫌って言えないし、そんな事が頭ん中でグルグルして、「だったら偉大な父親がいなくなればいい。」と本末転倒な答えにたどり着いたのでしょう。

映画でも「アレンの心は不安でいっぱいだった。」と言ってましたね。彼がどんだけ苦しんだのか、考えると心が痛みます。
でも結局そんな安易な答えしか出せなかったアレンは、かなり弱い人間なんですけど。でも、もしかしたらそんな弱い部分が、誰もが持ってる心の闇とやらなんじゃないでしょうか。
(それにしてもお父さんは本当に死んだのか?!ちゃっかり生きてそうな気がします・・・。)


そんなアレン妄想で映画を見ていたら、一回目見た時はよくわからなかった彼の行動がやっと分かってきました。
そして一回目では「え?なんで?」というシーンも少し理解しました。
テルーの唄で涙しちゃうアレン、あの後いきなり仲良くなってビビったんだけど、あの唄聴いてアレンは素直に感動したんでしょうな。
そんで素直に泣けるアレンを見て、テルーも心開ける相手だと思ったんでしょうな。

あと個人的に泣きそうになったシーンは、影アレンが「父さん・・・」って言いながら剣をなでるシーン。
この子お父さんの事、本当は大好きだったんだよ〜〜!!と思ったら泣けた。マジちょっと泣いた!!

クモの最後も二回目見た時の印象は「かわいそう」でした。既に人ではない姿に変化しつつも、それでも生きるとこにしがみついてる姿が・・・
アレンも「お前はボクと同じだ」って言ってましたね・・・。あの時の表情がとてもいい。

そんな訳で、二回目を見終わる頃には、
ゴローグッジョブ!!アレン大好きだ!! と今の状況になった訳です。(笑)

よく、「やっぱり宮崎駿監督に作って欲しかった」という感想を見かけるのですが、そうなっていたら、アレンは今とは全く違うキャラクターになっていたと思います。ストーリーも もっと壮大で爽やかな作品になっていたと思います。
そうなってたら私、多分映画館に5回も見に行ってない。(間違いなく好きだと思うけど。)

単にキャラ萌えというだけでなく、宮崎吾朗監督のあの独特の暗さに惹かれたんだと思います。
ある意味 私の中では、ラピュタを超えた名作です。

お子さんには難しい内容かと思うけど、子どもは素直なので、色々考えちゃう大人より楽しめたのかもしれないな〜〜
5回目見にいった時に隣が子どもだったんだけど、前のめりで見てました(嬉しい///)

毎回、見るたびに新しい発見がありました。 今どき珍しい素直な映画だと思うのです。
テルーが言った「アレンがこわがってるのは死ぬ事じゃないわ 生きる事をこわがっているのよ!!」で 私は
ズガーーーン!!となりました。
凄い・・・。 この映画は凄いよ・・・・!!

一回見て「は?なんだこりゃ?」と感じた人も、落ち着いてもう一回見て欲しいです。
久々に色々考えさせられた映画でした。





(この文章は、2006年9月に書いたものです。)